暗号資産(仮想通貨)とは何なのか?
と疑問に思われている方はいらっしゃいませんでしょうか?
暗号資産(仮想通貨)はたびたびニュースで取り上げられることもあり、世間一般に認知されるようになりました。
ですが、私は2022年まで全く暗号資産(仮想通貨)について全く知りませんでした。
2022年までの暗号資産(仮想通貨)に関する私の認識レベルは「暗号資産(仮想通貨)とは何なのか?」「暗号資産・仮想通貨=なんだか得体の知れないもの」といった状態です。
そこで、私と同じような方もいらっしゃるのではないかと考え、当記事では、暗号資産(仮想通貨)について、入門用として基本的な情報を大まかにまとめたものを紹介しております。
この記事で紹介していること
当記事では、暗号資産(仮想通貨)について、入門用として基本的な情報を大まかにまとめたものを紹介しております。
私は正社員を経てフリーランスとして独立したのち、暗号資産(仮想通貨)について勉強を始めました。暗号資産(仮想通貨)には魅力・メリットがあると同時に、危険性・注意点およびデメリットがあることも知りました。
暗号資産(仮想通貨)についての私個人の考えは、魅力・メリットもある反面、危険性・注意点・デメリットもあるという考えです。
もし暗号資産(仮想通貨)取引をされる場合は、危険性・注意点・デメリットも認識した上で、生活に支障をきたさない範囲内にお金を管理して行い、自己責任にて行うことが重要です。
この記事を読むメリット
私は暗号資産(仮想通貨)の知識が一切ない状態から、暗号資産(仮想通貨)について勉強を始めました。私と同じような状態の方にとって、暗号資産(仮想通貨)の基本的なことを知りたい方等に参考になる記事となっております。
参考までに確認されたい方はご覧になってください。
暗号資産(仮想通貨)とは?仮想通貨=暗号資産
暗号資産(仮想通貨)とは、数々の各国で利用可能な、紙幣や硬貨といった物理的な物体のない、インターネット上で発行・取引する、暗号化されたデジタル通貨です。
暗号資産(仮想通貨)は、購入することはもちろんのこと、日本円やアメリカドルといった法定通貨に交換することも可能です。
暗号資産(仮想通貨)の法令上の呼称は「暗号資産」となっています。
2019年6月に公布され、2020年5月に施行された資金決済法・金融商品取引法等の改正により、法令上の呼称は「暗号資産」となりました。
【参考】暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について
(金融庁ウェブサイトで公開されているPDF形式のファイルです)
仮想通貨から暗号資産への呼称変更は、法定通貨と違い価格の乱高下がある等の理由から、法定通貨(日本円、アメリカドルなど)との混同を避けるということが理由の1つとなっています。
【参考】「仮想通貨」の法令上の呼び名が「暗号資産」に|サクサク経済Q&A|NHK
まだまだ世間一般的に「暗号資産」よりも「仮想通貨」の方が浸透していると推測されますが、法令上の呼称に則り、以下↓より暗号資産(仮想通貨)を「暗号資産」に統一して記載しております。
暗号資産と電子マネーの違いは何なのか?
私は暗号資産を学ぶ前、暗号資産と電子マネーの違いを理解できておりませんでした。
暗号資産と電子マネーは、それぞれ貨幣・通貨という物質的な実体がないという点は共通しています。ですが、暗号資産と電子マネーの主な違いは、管理主体の有無、利用できる地域範囲、価格の変動という点がありました。
暗号資産と電子マネーの主な違い
- 管理主体の有無の違い
- 暗号資産は管理主体がない。そのため暗号資産の価格保証がされない。一方電子マネーは管理主体があり、法定通貨を電子マネーに変換した価格分は管理主体により保証される。
●電子マネーの例…PayPay、Suica、楽天Edy、WAON、iD、など
電子マネーそれぞれに管理主体がある。例えばPayPayであればPayPay株式会社が管理主体であり、法定通貨をPayPay残高にチャージした価格分は原則保証され使用することができる。
- 利用できる地域範囲の違い
- 暗号資産と電子マネーは、利用できる地域範囲が違う。暗号資産は暗号資産決済に対応している世界各国で決済が可能。一方電子マネーは、管理主体のある地域範囲でのみ決済が可能。
例えばSuicaの場合は、東日本旅客鉄道(JR西日本)が対応する経済圏でのみ使用が可能であり、東日本旅客鉄道(JR西日本)が対応する経済圏の範囲外になると使用することができない。
- 価格変動の違い
- 暗号資産は需要と供給によって価格が激しく変動する。そのため暗号資産購入時の価格より下落することや、場合によっては高騰することもある。
対して電子マネーは、法定通貨を電子マネーに変換した価格分は原則使用することができる。法定通貨を電子マネーに変換した価格以上に高騰することはない。
暗号資産・電子マネー双方それぞれ特性があります。
暗号資産はデータの改ざんや不正コピーはされないのか?
暗号資産は紙幣や通貨といった物体のないデジタル通貨であり、法定通貨のように中央銀行・金融機関といった管理主体がありません。さらに電子データであるため、「不正にデータの改ざんや不正コピーはされないのか?」と疑問が浮かびます。
暗号資産は、公開鍵暗号方式、ブロックチェーンの技術が採用されてあり、データの改ざんや不正コピーをすることが極めて難しくなっています。
暗号資産には公開鍵暗号方式という暗号化技術が用いられています。公開鍵暗号方式は、送付情報が改ざんされていないか、セキュリティ面において強化されます。
【参考】公開鍵暗号方式 - @IT ネットワーク用語事典
公開鍵暗号方式は、様々な面において活用されています。例えば、マイナンバーカードの認証です。マイナポータルのログイン時など、本人確認の認証等に利用されています。
そのほか、ブロックチェーンという技術が用いられています。暗号資産の取引は、ブロックチェーンにより全て保存され、保存された取引内容が正しい取引であるか確認するための承認作業が行われます。
ブロックチェーンデータの改ざんを働くには膨大なコストが発生します。暗号資産を改ざんするには、1つの取引だけを改ざんすればよいという訳ではなく、その取引に付随する過去の取引全てを改ざんしなければなりません。ブロックチェーンにより、データの改ざんが極めて困難になっています。
【参考】ブロックチェーンとは?仮想通貨(ビットコイン)の活用だけではない革新的技術ブロックチェーンを簡単にわかりやすく解説|be CONNECTED.|法人のお客さま|KDDI株式会社
暗号資産の主な魅力(メリット)⇒送金手数料等
暗号資産には数々の魅力(メリット)があります。当記事で考察する魅力(メリット)は以下↓の通りです。
当記事で考察する暗号資産の魅力(メリット)の一例
- インターネット環境が整っていれば、いつでも取引可能
- 法定通貨と比較し暗号資産送金手数料は無料の場合あり
- 世界各国、暗号資産決済に対応している所で両替することなく決済が可能
- 株式取引と比較し暗号資産は比較的少額から始められる
- 収益が出ることがある ※損失が出る危険性もある
- 知識を広げるきっかけに⇒投資・金融・IT技術関係等
以下↓にそれぞれ解説しております。
インターネット環境が整っていれば、いつでも取引可能
暗号資産は、インターネット環境が整っていましたら、原則土日・祝日関係なく24時間365日、取引が可能という点が暗号資産の魅力(メリット)の1つとして挙げられます。
例えば証券取引所は土日・祝日は通常は休業日となっています。そのため株式は平日でなければ取引ができません。株式市場の取引時間も決まっています。
銀行の場合には、銀行によって営業時間・営業日が異なります。土日・祝日は休業日になっていることが多いです。
対して暗号資産は、インターネット環境が整っていましたら、通常は24時間365日、取引が可能です。※法定通貨の入出金制限など、事業者によって制限がある場合があります。
暗号資産の魅力(メリット)の1つは、原則土日・祝日、24時間365日取引が可能であるということが言えます。
法定通貨と比較し暗号資産送金手数料は無料の場合あり
法定通貨と比較して、暗号資産での送金手数料は、運営会社によっては無料になる場合があるという点が魅力(メリット)の1つです。
法定通貨は、銀行等の中央管理者を介して送金処理を行いますので、その分コストがかかります。そのため銀行等の金融機関が定める送金手数料が発生します。
対して暗号資産は、銀行等の中央管理者が存在しません。認可を受けた暗号資産交換業者を介して送金する場合は、暗号資産交換業者によっては送金手数料が無料になる場合があります。※暗号資産交換業者によって手数料は異なる場合があります。
暗号資産の魅力(メリット)の1つとして、法定通貨に対し暗号資産の送金手数料は、暗号資産交換業者によっては無料になる場合があるという点が言えます。
世界各国、暗号資産決済に対応している所で両替することなく決済が可能
暗号資産は、暗号資産決済に対応している所では、両替をすることなく世界各国で決済が可能という点が魅力(メリット)の1つとして挙げられます。※暗号資産にも様々な種類があります。例えばビットコイン決済に対応していれば、ビットコインにて決済が可能です。
法定通貨の場合は、各国で決済する場合は各国の法定通貨に両替をする必要があります。両替をする場合は両替手数料を支払う必要があります。従って、両替をする手間や両替手数料の支払いといったコストが発生します。
対して暗号資産は、暗号資産決済に対応している所であれば、両替をする必要なく決済をすることができます。
ですので、両替をすることなく、暗号資産決済に対応している所であれば世界中で決済が可能という点は暗号資産の魅力(メリット)の1つであると言えます。
株式取引と比較し暗号資産は比較的少額から始められる
暗号資産取引は、株式取引と比較して、比較的少額から始められることが魅力(メリット)の1つとして挙げられます。
株式取引の場合は、株式の売買単位は100株です。株式の銘柄や株価によって購入金額は異なりますが、例えば株価1,000円の株式を購入する場合は、10万円は必要です。
株式の中には、単元未満株という1株から購入できる株式もありますが、単元未満株で購入できる銘柄は限られています。
対して暗号資産は、例として取引所の1つである、GMOコインの「販売所」サービスにおけるビットコイン(BTC)の最小注文可能数量は0.00001 BTCとされています。※各取引所により最小注文可能数量は異なります。
2022年1月14日、0時0分のビットコイン終値はBTC/JPY2,430,818円です。こちらの終値の場合でGMOコインの販売所での最小注文金額は、0.00001 BTCを約24円から購入できるということになります。
株式投資と比較して、暗号資産は比較的少額から始められることができます。
株式取引よりも比較的少額から始められるという点は、暗号資産取引の魅力(メリット)の1つであると言えます。
収益が出ることがある ※損失が出る危険性も
※暗号資産取引は収益が発生することがありますが、損失も発生する危険性があります。場合によっては財産を失うことにもつながりかねません。
暗号資産の魅力(メリット)の1つは、相場や運用等によっては収益が出る可能性があるという点です。
基本的には暗号資産を購入時の価格よりも、相場が高い状態で売却が成立すれば、その差額分が利益となります。
差額の例として、2022年1月1日、0時0分時点のビットコイン(BTC/JPY)は5,279,999円です。2023年1月1日、0時0分時点のビットコイン(BTC/JPY)は2,171,800円です。
終値ビットコイン(BTC/JPY) | |
2022年1月 0時0分 | 5,279,999円 |
2023年1月 0時0分 | 2,171,800円 |
差額 | -3,108,199円 |
上記↑表の差額はマイナスとなっていますが、差額がプラスの場合に売却が成立しますと、その差額分が利益となります。
以下↓のリンク先では、暗号資産を始めた理由や、どのくらい利益を上げられたかなどの利用状況に関するアンケート調査が紹介されています。
【参考】暗号資産(仮想通貨)の取引口座の利用状況に関するアンケート調査について _ Money Method
相場や運用等によっては利益が出る可能性があるというは、暗号資産の魅力(メリット)の1つであると言えます。
知識を広げるきっかけに⇒社会情勢・金融・IT技術等
暗号資産取引を始めることは、社会情勢の把握や、金融・IT技術関係の勉強にもつながる可能性があると考えます。
暗号資産は投機的な面ばかりではなく、社会情勢の把握や・金融関係にも連結し、加えて先端的なIT技術が活用されています。
暗号資産は社会の情勢等により価格が変動することがありますので、ニュースを見て社会情勢を考察・把握することにもつながり、自己の見聞を広めることにもつながります。
レバレッジ取引(※レバレッジ取引はリスク管理が重要であり初心者にはハードルが高い)など金融関係にも通じる部分があります。暗号資産は資金決済法、金融商品取引法なども関わってきますので、金融関係の勉強にも連結します。
【参考】暗号資産関係:金融庁
さらに、暗号資産はブロックチェーン技術といった先端的なIT技術が導入されています。
暗号資産に導入されているブロックチェーンは、暗号資産だけの導入にとどまりません。今節では医薬品の臨床試験にもブロックチェーンの導入が始まっています。
【参考】医薬品の治験を「ブロックチェーン」で変革、データの信頼性確保と効率化を両立 _ 日経クロステック(xTECH)
以上のように、暗号資産は、社会情勢の把握・金融・IT技術関係にもつながっており、自身の知識を広げるきっかけにもなり得ます。知識を広げるきっかけになるという点も、暗号資産の魅力(メリット)の1つであると言えます。
暗号資産の主な危険性・注意点及びデメリット
暗号資産は、上記「暗号資産の主な魅力(メリット)⇒送金手数料等」の項で解説しましたように、数々の魅力があります。
ですが同時に、暗号資産には危険性・注意点およびデメリットもあります。
暗号資産の危険性・注意点およびデメリットを把握しておくことは、リスク管理面において非常に重要です。
当記事で挙げます危険性・注意点およびデメリットの一例は以下↓の通りです。
当記事で挙げる暗号資産の危険性・注意点およびデメリット
- 投機性あり⇒損失・依存性の危険があることを重々認識
- 価格の乱高下がある⇒価格が暴落する可能性と不安定さ
- 税法上、暗号資産の利益は税金が発生する(雑所得)
- 不正にお金を引き出される事件あり⇒ブロックチェーンを逆手に取る51%攻撃
- 取引所・個人含めハッキング等で不正に流出する恐れ
- 暗号資産関係の詐欺等の被害もあり⇒慎重な姿勢・信頼できる事業者を
- 決済手段として暗号資産が使える店舗がまだまだ少ない
- 環境負荷への懸念⇒マイニング(承認作業)に膨大な電力
以下↓にそれぞれ解説しております。
投機性あり⇒損失や依存性の危険があることを重々認識
暗号資産取引には、投機的な面があるという点が危険なポイントの1つです。
暗号資産は、価格の変動が激しく、資産・通貨と呼ぶにしても非常に不安定です。ですが、相場等によっては収益が発生することがあるため、投機的な面が大いにあります。
特に暗号資産は価格の変動が激しいという特徴があり、大きな利益を期待する要因の1つです。
上記「収益が出ることがある ※損失が出る危険性もある」の項で紹介しました表のように、暗号資産の1つであるビットコインの相場価格は1年で-3,108,199円もの差額が発生しています。
そのため、莫大な損失が発生する危険性があります。ですが、ゆえに大きな収益を期待してしまう投機的な面が大いにあります。
投機的な面があるということは、収益が発生することもあれば、大きな損失を被ることもあります。
投機的な面が大いにあるがあるゆえに発生する損失は、お金の面での損失だけではありません。暗号資産取引にのめり込んでしまい、ご自身の有限で貴重な時間も暗号資産に費やしてしまうという危険性があります。
重要な仕事、家事、勉学、といった、重要な事柄へ本来は割かなければならない時間を、過剰に暗号資産取引に費やしかねません。
暗号資産にのめり込むあまりに、生活が破綻してしまう恐れがあります。
【参考】ビットコイン数万円で始まった借金生活 儲かった時にやめればよかった _ PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
暗号資産取引には、投機的な面があるが故の危険性を認識しておく必要があります。
もし暗号資産取引をされる場合には、生活に支障のない範囲で行うということを、自己でコントロールして行わなければなりません。
価格の乱高下がある⇒価格が暴落する可能性と不安定さ
暗号資産は価格の乱高下があります。そのため、暗号資産の価格が暴落する可能性があり、通貨として使う場合にも価格の乱高下があるため、不安定で安心して使うことができません。
法定通貨の場合は、暗号資産と違い中央管理者が存在するため、為替市場が安定するように各国政府および中央銀行による為替介入が行われます。
対して暗号資産は中央管理者が存在しません。需要と供給のみで暗号資産の価格が決まるため、価格の乱高下が激しいという特徴があります。
例として、2022年1月1日、0時0分時点の終値ビットコイン(BTC/JPY)は5,279,999円です。2023年1月1日、0時0分時点の終値ビットコイン(BTC/JPY)は2,171,800円です。1年間で約310万円ほどビットコインの価格が下がっています。
終値ビットコイン(BTC/JPY) | |
2022年1月 0時0分 | 5,279,999円 |
2023年1月 0時0分 | 2,171,800円 |
差額 | -3,108,199円 |
以上のことから、暗号資産は価格の乱高下があり、暗号資産の価格は暴落する可能性、および通貨として使用するには不安定な面があるという点を認識しておく必要があります。
税法上、暗号資産の利益は税金が発生する(雑所得)
暗号資産の利益が発生した場合には、税金の支払いをする必要がある場合があります。ですので、暗号資産取引を行う場合には、税金が発生するケースを把握しておくことが重要です。
暗号資産取引で生じた利益は、課税の対象である雑所得として扱われます。そのため場合によっては確定申告をする必要があります。
もし年間を通して(1月~12月)利益が20万円以下の場合は、確定申告は必要ないとされています。
※20万円以下という点は、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額とされています。暗号資産以外にも雑所得等がある場合は、その全ての所得を合計して20万円以下であるかを判断しなければなりませんので注意が必要です。
一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第百九十条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下この項において「給与所得及び退職所得以外の所得金額」という。)が二十万円以下であるとき。
出典:所得税法 _ e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340AC0000000033
(最終閲覧日:2023年1月16日)
以下↓に暗号資産取引にて、利益に該当するケースの例を紹介しております。
暗号資産取引で、利益に該当するケース
- 暗号資産を売却して生じる利益
- 所有している暗号資産を売却して生じた利益は、課税対象となります。
- 暗号資産で買い物をしたとき
- 所有している暗号資産で買い物をした場合にも、利益分は課税対象となります。
- 所有している暗号資産を、別の暗号資産に変えたとき
- 所有している暗号資産を、別の種類である暗号資産に変えた場合にも、変換時点で利益が確定したとみなされ、課税対象となります。
- マイニングをして報酬を得たとき
- 個人でマイニング(承認処理)をされている方は少ないと推測されますが、もしマイニングをして報酬を得た場合にも、報酬分は課税対象となります。
加えて、暗号資産の利益計算評価方法は「移動平均法」と「総平均法」があります。
- 移動平均法⇒計算は総平均法に比べ複雑になるが、年度中に計算ができるため準備がしやすい。
- 総平均法⇒計算は移動平均法に比べ比較的簡単だが、年度が終わらないと計算ができない。
移動平均法と総平均法の損益計算結果は、単年度の計算結果は異なりますが、将来にわたる損益計算結果は同じとなります。
暗号資産の評価方法の選定は、期限内に暗号資産の評価方法を選定する「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」の提出が必要になります。※もし届出を行わない場合は、自動的に「総平均法」となります。(3年間は評価方法の変更ができないとされています。)
以下↓は国税庁ホームページ内のPDFファイル「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」からの引用になります。
初めて暗号資産を取得した年分の確定申告期限(原則:翌年3月 15 日)までに、納税地の所轄税務署長に対し、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」の提出が必要です。
暗号資産に関する税務上の取扱いについて(令和4年 12 月最終改定)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
(最終閲覧日:2023年1月16日)
不正にお金を引き出される事件あり⇒ブロックチェーンを逆手に取った51%攻撃
暗号資産には、公開鍵暗号方式やブロックチェーンといったデータの改ざんが極めて困難な技術が使われています。ですがシステムを逆手に取った方法にて、不正にお金が引き出された事件もあります。
【参考】仮想通貨に新たな脅威、51%攻撃でオルトコインに被害続出 _ 日経クロステック(xTECH)
【参考】仮想通貨モナコインへの攻撃が明らかにしたこと、今後すべきこと 〜脅威はあるが、対策もある – 仮想通貨 Watch
ブロックチェーンの分岐というシステムを逆手に取った、51%攻撃と呼ばれる攻撃手法です。
暗号資産はブロックチェーン技術が使われています。ブロックチェーンは、最も早くマイニング(承認作業)できたブロックを正当なブロックになるシステムです。もし同時に複数正しく計算された場合は、ブロックチェーンが分岐することがあります。
ブロックチェーンが分岐した場合、最も長く生成されたブロックを正当なブロックとして承認するという仕組みになっています。このブロックチェーンの仕組みを逆手に取り、マイニング(承認作業)を51%シェアを取ることにより、不正なブロックを承認することが可能になってしまいます。
ただし、51%攻撃は加えて膨大な計算量・電気代・マシン代といったコストもかかるとされており、加えて暗号資産市場の信用が失墜することに直結します。ですので51%攻撃によるメリットはほぼなく、起こりにくいともされています。
ですが、過去に実際にシステムを逆手に取って不正にお金を引き出された事件がありますので、100%安全とは言い切れないという点は認識しておくことがよいと考えます。
取引所・個人含めハッキング等で不正に流出する恐れ
通常の銀行にも、悪意のあるものにより不正にお金が流出してしまうリスクがありますように、暗号資産もハッキング等により不正に流出してしまうリスクがあります。
暗号資産は電子データであり、ハッキング等により不正に資産が流出する恐れがあるという点も認識しておく必要があります。実際にハッカーにより暗号資産が流出した事件もあります。
【参考】仮想通貨660億円流出させたハッカーはどうなった、被害企業の意外な「審判」 _ 日経クロステック(xTECH)
ですので、暗号資産取引をする際には、セキュリティに関する対策もしっかり行う必要があります。
以下↓に暗号資産取引を行う上で、個人でできるセキュリティ対策の例を挙げております。
※以下↓の例はあくまでも例ですので、セキュリティ対策はご自身のご責任にて行っていただきますようお願いいたします。
暗号資産取引を行う上で個人でできるセキュリティ対策の一例
- 日本国内の正式に認可を受けている暗号資産交換業者の取引所・販売所を利用する
- 金融庁の認可を受けた取引所・販売所であれば、もし万が一取引所・販売所にハッキングが行われ暗号資産が流出したとしても、原則暗号資産交換業者にて暗号資産が補填されるような制度が設けられています。(保護体制について確認しておくことをおすすめいたします。)
ですので、個人でできるセキュリティ対策の1つとして、正式に認可を受けている国内の取引所・販売所にて暗号資産取引を行うということが挙げられます。
- パソコンやスマートフォン等の自身の機器環境のセキュリティ対策をしっかり行う
- 暗号資産取引を行う上で、自身のパソコンやスマートフォン等の機器環境に関するセキュリティ対策を行っておくことも重要です。
例えば、もしパソコンやスマートフォンにウイルスソフトが感染してしまいますと、あらゆる個人情報が流出してしまい、暗号資産取引で使用しているパスワード等も流出してしまう恐れがあります。
ですので、パソコン・スマートフォン含む自身の機器環境のセキュリティ対策をしっかり行うことは重要です。
- 専用機器にて暗号資産を管理する
- ハードウェアウォレット(コールドウォレット)が一般的に使用されています。ハードウェアウォレット(コールドウォレット)は、インターネット環境から遮断して、物質的に手元に保管することができます。
ハードウェアウォレット(コールドウォレット)により、取引所に保管しなくても自身の手元に管理することができますので、個人でできるハッキング対策の1つとなります。
暗号資産関係の詐欺等の被害もあり⇒慎重な姿勢・信頼できる事業者を
暗号資産に関わらず、詐欺等の被害はどこにでも起こり得ます。暗号資産に限った話ではありませんが、暗号資産に関係する詐欺等の事件もあるという点は頭に入れておく必要があると考えます。
事実、消費者庁にて、暗号資産に関するトラブルが多発しているという注意喚起がされています。
【参考】暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください! | 消費者庁
ですので、詐欺等の被害にあわないようにする対策も重要です。
以下↓に詐欺等の被害にあわないようにする対策の一部例を紹介しております。
※以下↓の例はあくまでも例ですので、詐欺等のトラブルに遭わないようにするためにはご自身にてご注意をお願いいたします。
暗号資産取引にて詐欺等のトラブルに対する対策の一例
- 「必ず儲かる」「誰でも儲かる」といった表現は詐欺の可能性
- 暗号資産の価値が上がるかどうかは誰にも分かりません。仮に予測はできても、不確定要素があるため、必ず価値が上がるとは言い切れません。さらに、その予測も正しいかどうかは分かりません。
暗号資産は金融商品取引法の対象となっています。従って「必ず儲かる」、「誰でも稼げる」といった、強い期待を抱かせる表現方法での広告および勧誘は罰則の対象となります。
ですので、もし「必ず価値が上がる」といった投資話を持ち掛けてくる場合は、詐欺である可能性を考えることが対策の1つとして挙げられます。 - 第三者にお金を預けない
- 「暗号資産の運用をしてあげます」といった人に、運用するためのお金を預けることはトラブルの元ですので、避けるべきであると考えます。
実際に、「他人にお金を預けて連絡がとれなくなった」といった被害も聞いたことがあるかと思います。金融庁でも、投資勧誘等の注意喚起がされています。
【参考】詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!: 金融庁
第三者にお金を預ける行為は詐欺に遭う可能性があります。
そもそも他人のお金を預かって運用をするには、金融商品取引業の登録が必要になります。
【参考】いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について:金融庁
金融商品取引業の登録を受けていない場合には、罰則の対象となります。誘致するもの全てが登録を受けているとは限りません。
以上のことから、トラブルを避けるためにも第三者にお金を預けない方がよいと言えます。 - 信頼できる事業者を通して売買を行う(認可を受けた暗号資産交換業者)
- 信頼できる事業者(正式に金融庁から認可を受けている暗号資産交換業者)を通して暗号資産取引を行うことも重要です。
認可を受けている暗号資産交換業者ということで、一定の信頼があると判断することができます。
認可を受けている暗号資産交換業者については金融庁ウェブサイト内にてご確認いただけます。
【参考】暗号資産交換業者登録一覧
(金融庁ウェブサイト内で公開されているPDF形式のファイルです) - 暗号資産や金融商品に関する知識を高めておく
- 暗号資産や金融商品に関する知識を高めておくことも、詐欺に対する被害を防ぐことにつながります。
例えば、仮に「必ず暗号資産の価格が上がる」と言われた場合にも、暗号資産の知識があれば詐欺である可能性を考えることができます。暗号資産は不確定要素があり、加えて乱高下が激しいため、必ず価格が上がると言い切ることはできません。
ですので、暗号資産や金融商品に関する知識を高めておくことは、詐欺に対する対策としても重要です。
ご自身にて暗号資産に関する知識を高めておくこと、暗号資産を取り扱う業者は信頼できる業者であるか慎重に判断すること(正式に国から認可を受けている暗号資産交換業者であるか)が重要です。
投資全般にも言えることですが、暗号資産取引は自己責任にて行うという認識も必要です。
決済手段として暗号資産が使える店舗がまだまだ少ない
ビックカメラ等、ビットコインの決済に対応している店舗・サービスがあります。
【参考】ビットコインで商品対価の支払いが可能に、「暗号資産決済」とは _ 日経クロステック(xTECH)
ですが、電子マネー等と比較して、まだまだ暗号資産を決済できる店舗やサービスが少ないと言えます。
背景としまして、各店舗・サービスに暗号資産の決済サービスを導入するには、日本国内で暗号資産を保有している人の割合がまだまだ少ないのではないかということが推測されます。
【参考】「生活者1万人アンケート」調査結果に見る消費者の暗号資産保有行動
今後、暗号資産の保有率の動向によっては、暗号資産で決済できる店舗・サービスが増える可能性もありますが、2023年1月時点でまだまだ暗号資産決済に対応している店舗・サービスが少ないという点は、暗号資産のデメリットであると言えます。
環境負荷への懸念⇒マイニング(承認作業)に膨大な電力
暗号資産に必要不可欠なマイニング(承認作業)には、膨大な電力を消費します。そのため、CO2排出により環境への負荷が懸念されています。
ビットコインを始めとする暗号資産のマイニング(承認作業)により、気候変動、環境被害をもたらしている記事が以下↓に紹介されています。
【参考】ビットコインは時間とともに持続「不可能」に…「価値下落」より深刻な原因があった(ニューズウィーク日本版) – Yahoo!ニュース
今後、新しい技術革新により環境負荷に対する問題が解決される可能性もありますが、現時点では暗号資産により環境被害が起こっていることも認識しておく必要があると考えます。
暗号資産にも様々な種類がある⇒初心者におすすめなのは?
一口に暗号資産といっても、暗号資産には様々な種類があります。
暗号資産の種類の例
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- チェーンリンク(LINK)
- メイカー(MKR)
- アバランチ(AVAX)
- チリーズ(CHZ)
- トロン(TRX)
- ジパングコイン(ZPG)
- ライトコイン(LTC) など
暗号資産交換業者によっても、取り扱っている暗号資産は様々です。
暗号資産として広く認知されている、流通量の多いビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などは、基本的にどの暗号資産交換業者も取り扱っています。
当記事で考察する、初心者におすすめな暗号資産は、世間一般に広く認知され、流通量の多い暗号資産であると考えます。
理由としまして、暗号資産は課題もあります。ブロックチェーンの分岐、51%攻撃により不正にお金が引き出される被害が、中小規模の流通量である暗号資産で実際に出ています。
【参考】不正にお金を引き出される事件あり⇒ブロックチェーンを逆手に取る51%攻撃
ですので初心者の方は、ビットコインやイーサリアムといった流通量の多い、一般的に広く認知されている暗号資産がおすすめであると考えます。
暗号資産はどこで購入・入手できるのか?
暗号資産は、主に以下↓の3つの方法で売買・入手することが一般的です。
- 認可を受けた暗号資産交換業者を通じて売買する(最も一般的な方法であり、初心者にもおすすめ)
- 個人間のやり取りにて入手(※個人間やり取りは事業とみなされない範囲、税金の発生に注意)
- マイニング(取引の承認作業)をする(※現在、マイニングは個人では難しいとされている)
以下↓にそれぞれ解説しております。
- 認可を受けた暗号資産交換業者を通じて購入する
- 正式に認可を受けた暗号資産交換業者を通じて売買を行うという方法が、最も一般的であり、初心者にとってもおすすめです。国から認可を受けているという点において、一定の信用があると判断することができるためです。
暗号資産は、国から認可を受けた暗号資産交換業者を通じて売買することができます。
【参考】暗号資産交換業者登録一覧
(金融庁ウェブサイト内で公開されているPDF形式のファイルです) - 個人間のやり取りにて入手
- 個人間でのやり取りにて、暗号資産を入手する方法もあります。ですが現在、暗号資産の個人間でのやり取りについての法規制はありませんが、今後、法整備が進み規制が設けられる可能性もある点に注意が必要です。
さらに、個人間でのやり取りは事業とみなされない範囲で行う必要があります。事業とみなされた場合は、無許可で暗号資産を取り扱っていると判断され、罰則を受ける可能性があることも頭に入れておく必要があります。
【参考】暗号資産、無許可で仲介した疑い 詐欺被害者に投資持ちかけか:朝日新聞デジタル
加えて、場合によっては贈与税等の税金が発生する可能性もある点に注意が必要です。
【相続税・贈与税参考】ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を相続や贈与で取得した場合の評価と課税|みんなでつくる!暮らしのマネーメディア みんなのマネ活 - マイニング(取引の承認処理)を行う ※個人で行うことは困難
- 暗号資産の取引は、マイニングという承認作業が必要不可欠です。そのため、マイニングを行うマイナーと呼ばれる人および組織が存在します。現在、マイニングを行い正当な承認された場合、報酬として暗号資産がもらえます。
ただし、マイニングには多くの電力量、極めて高性能なコンピュータ設備といった、大規模な設備投資や専門的な知識が必要ですので、個人で行うことは現在困難とされています。
暗号資産の基本的な始め方(大まかな流れ)
暗号資産取引は、インターネット環境が整ってある状態で、パソコンやスマートフォン・iPhone等が必要です。暗号資産取引の始め方は、基本的には以下↓のような流れになります。
暗号資産取引の基本的な始め方(大まかな流れ)
- 1.暗号資産取引を行う、取引所や販売所を選ぶ
- まずは金融庁の認可を受けている取引所や販売所を選ぶ必要があります。
- 2.取引所や販売所にて、暗号資産取引用の口座開設の審査を受ける
- 取引所や販売所にて、暗号資産の売買を行うための専用の口座開設をします。
※口座開設をするためには審査に通る必要があります。 - 3.審査に通り口座開設が完了したら、口座に取引用の資金を入金
- 無事審査に通り、口座開設が完了しましたら、開設した口座に入金します。
- 4.暗号資産取引が開始
- 開設した口座へ入金が完了しましたら、取引所や販売所で暗号資産取引を開始できます。
●取引所とは⇒運営事業者ではなく、売り手と買い手によって暗号資産の売買が可能。販売所より手数料が安い傾向があるが、売り手と買い手の価格希望が一致しないと取引が成立しない。暗号資産の銘柄が少ない。
●販売所とは⇒運営事業者から暗号資産の売買が可能。運営事業者から売買できるため、取引所よりも比較的簡単に購入することができる。そのため初心者の方にもおすすめだが、取引所よりも手数料が高い傾向あり。
口座開設にあたり、本人確認書類等の必要な準備物があります。口座を開設する暗号資産交換業者にて必要書類を洩れなく確認しておきましょう。
暗号資産取引は事前に基本知識を得て開始が◎
暗号資産は、上記「暗号資産の主な魅力(メリット)⇒送金手数料等」の項で紹介しましたように数々の魅力(メリット)があります。
ただし暗号資産には魅力(メリット)があると同時に、上記「暗号資産の主な危険性・注意点及びデメリット」の項で紹介しましたように、危険性・注意点・デメリットを重々認識して自己責任にて行う必要があります。
私個人としては、暗号資産取引は収益を追うことが第一の目的ではなく、「知識を広げるきっかけに⇒社会情勢・金融・IT技術等」の項で紹介しましたように、社会情勢・金融・IT技術等の知識を広げるきっかけにして、得た知識からより人生を豊かにする足がかりにすることがよいと考えます。
よろしければ参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございます。